【統計実践】日本人の給与を分析してみよう【給与皆どのくらい?】

データ分析

先日#手取り14万円がtwitterでトレンド入りしました。

その前も手取り15万円がトレンド入りする等、お給料ネタは皆さんの関心を引きやすいようです。

おそらく、

・皆どのくらいもらっているんだろう

・私は皆よりも多くもらってるの?少ないの?

という周りと比較しがちな日本人特有のバズワードなのかもしれません。

かくいう私も気になりますし。

ただこういう数字系のネタというのは、数字の原典は触れられないものです。

小難しいデータを見るのは面倒くさいですから。

ですが、やはり数字が出てきたときには、数字の原典を確認する事は癖付けた方が良いです。

数字というのは、それだけで信憑性があります。

人によって解釈がブレない、具体性があるからです。

ですが、人の触ったデータ程気をつけなければなりません。

間違った方法をとらずとも、どのような指標を選ぶかで様々な数字をアウトプット出来るからです。

分布の代表値を示すだけでも

・平均値

・中央値

・最頻値

という選択肢があります。

平均値と中央値 『どちら』が正しい? その考えが間違いです!!

数字は指標化をしていくと、情報量が減っていきます。

これは指標を選択する事で、情報量をコントロールする事が出来るという事です。

故に数字に騙されないためには、出来るだけ生データ、もしくはそれに近い値を自分で分析してみる必要があるのです。

今回は、最近トレンドになった日本人の給与事情を以下のデータ元を分析して探ってみたいと思います。

データ元:平成30年分民間給与実態統計調査結果

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日本人の給与を分析してみよう

分析期間と方針

分析期間は2008年から2018年の10年間にします。

分析方針ですが、以下の内容が事実か確かめてみたいと思います。

・労働人口は年々減っている

・給与は横ばい、もしくは下がっている

・正社員と非正規の格差が広がっている

以上3点は、世間でよく言われる一般論です。

こういった一般論を実際にデータ分析で立証する事は、重要です。

データ分析の一番の効能は、主観的な思い込みを客観視に切り替える事が出来る事です。

こればかりは実践してみた方が、一番効果が出ますので、ぜひご自分でも分析してみて下さい。

同じ方法をなぞるだけでも、納得感が変わってくるはずです。

労働人口は減っている?

今回のデータには、

・給与所得者

・1年間勤続した給与所得者

の2つがあったのでその推移を見てみます。

・・・増えてますね。

2008年から2009年で微減して、そのまま2012年まで横ばいなのは、リーマンショックという不況の成果もしれません。

ですが、現状給与所得者の人数は上がり続けています。

これは雇用が増えているという事を意味するので、今は少子化がどうとかとは無縁の状態だといえます。

ただ気になるのが、1年連続で勤続した人とトータルの給与所得者が同じトレンドを描いているという事。

そして一定の乖離を保っているという事。

という事でこの2つの差を見てみました。

これだとよく分かりません。

というのも年間の合計値しかデータがないので、誤差範囲が良く分からないからです。

本当であれば1か月ごとのデータの平均にエラーバーで標準偏差をつけると、お互いどの程度の有意差があるのか分かるのですが、それも生データが手元にないので叶わぬ夢という訳です。

ここでも生データの重要性が分かります。

給与は上がっていない?

平均給与の推移を見てみましょう。

2008年から2009年に激減しているのは、間違いなくリーマンショックのおかげです。

そして2013年頃から回復していますが、実は2017年までは2008年に追い付いていないことがここで分かります。

マジかって感じです。

この結果からは、最近になってやっと10年前の水準に戻ったという感じです。

2019年以降もこの上昇の傾きが維持出来るのかが注目点ですね。

ちなみにこれは平均値です。

当然よく言われる平均値 vs 中央値論争が起こるポイントであり、国民の代表的な給与が440万円などとは思わないでください。

正規と非正規の格差は広がっている?

最後に正規と非正規の格差が広がっているか見てみましょう。

スケール感的に広がっているか分かりません。

比の推移に注目してみましょう。

繰り返しますが、誤差が分からないので何とも言えませんが、少なくとも上昇し続けてはいないのではないでしょうか。

格差は一定とは言えませんが、どんどん拡大はしていないように見えます。

どちらかと言えば問題なのは、非正規の平均給与が200万円以下だという事です。

正規の給与と同一グラフで見ると分かりづらいですが、一応非正規の給与も年々上昇しています。

2012年の170万から6年かけて180万円までは上昇しています。

ですが、10万といえば月1万円も上昇していません。

非正規の給与が非常に低いというのは、データからも示される事実だと言えるでしょう。

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まとめ

という事で今回は日本の給与を分析してみました。

まとめると

・労働者は減っていない。雇用は拡大中

・給与は最近やっと10年前の水準に戻った

・正規/非正規の格差は広がっていないが、非正規の給与は相当に低い

今回のデータは年間の合計値や平均しかなく、ばらつき具合が分からないのでどの程度で有意差となるのかが良く分かりませんでした。

このように分析するデータが一次データか否かで分析の精度は相当に変わってきます。

また今回は3点に絞ってデータを分析しましたが、データは分析の観点を変えるだけで様々な表情を見せます。

もし「こんな点が気になる」なら調べてみて下さい。

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