最近、「これから景気は下り坂」という話をよく聞きます。
またリーマンショックから10年経つという事で、大規模な暴落がそろそろ来ると警戒しているコメントが端々で見られます。
ただ私としてはみんなが言っているから、きっとこれから不景気なんだと流されるのは健全なあり方だとは思えないので、自分なりにデータを見てみる事にしました。
という事で、これからちょくちょく景気に関わる指数を見ていこうと思います。
基本的には経済指標読み方のルールを参考に調べていきます。
自動車販売台数を調べてみよう
自動車販売台数って何?
そのまんま自動車の販売台数です。月ごとに算出されており、景気を知るうえで重要な指標と言われています。
なぜ重要な指標となり得るかと言えば、
・関連する産業が多い
・大きな買い物であり、ローン前提での購入であるために、収入の安定した人が購買層となる
からです。特に重要なのは新車の販売台数です。中古車では関連の下請けが儲からないので、新車の方が経済への影響度が大きいのです。
時系列で見比べよう
今回は2013年から2019年4月現在の新車販売台数を見ていきます。
データ元はこちらです。
単純に毎月のデータを時系列にまとめるとこうなります。
・・・なんだかよく分かりませんね。
なんとなく、規則性があるように見えますが、おそらく季節的なものでしょう。
もうちょっと分析するために、年単位で見てみます。
ちなみに1~12月までのデータ集計ですので、ひとまず2019年は外しています。
平均値に標準偏差のエラーバーを表示しています。
こうみると、2016年を最後に徐々に販売台数が下がっていっています。
ちなみにこの指標は米国メーカーだけでなく、主要な外国メーカー(トヨタなど)も含めた数字ですので、シェアの偏りではなく本当に販売台数が減っている事を示しています。
次に2019年も込みで見てみます。
季節の変動を考慮して1~4月までの平均値と標準偏差を見てみます。
2018年よりかは2019年は上向いていますが、2017年よりは低く減少トレンドからは抜け出せていないように見えます。
以上の事から、2017年から自動車の販売台数は減少しており、この観点からは景気は停滞していると見なせます。
自動車販売台数を見てからの投資判断
基本的に今回のように下降トレンドが表れている場合は、株は売り判断になります。
自動車販売台数が下降しているという事は、
・新車を買うほどの余裕がない
・収入の安定に不安がある
という状態が増えているという事です。ゆえに下降トレンドの場合はリスク資産は手放し安定した債券や預金にした方が良いと言われています。
ちなみに、上昇トレンドの場合は景気が良好と言えるかと言えばそうではありません。
不景気による低金利のせいで、ローン件数が増加し、不景気なのに新車が売れるという現象もあり得るからです。
故に上昇トレンドの場合は、金利情報も分析する事で適切な判断を下した方が良いです。
まとめ
今回は自動車販売台数に注目してみました。
どうも2,3年前から景気停滞の兆候が見えていたようです。
今後は、こうやって色々な景気指標を分析していこうと思っています。
何かの参考になれば幸いです。
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