皆さん、ルーティン化していない業務って妙に疲れませんか?
その原因は決断疲れにあります。
決断疲れを起こすと、いざ重要な決断を行う際に、正しく決断が出来なくなる可能性がありますし、そうでなくとも作業効率が落ちてしまう危険性があります。
これを回避するには、出来るだけ業務をルーティン化する必要があり、そのルーティンに検定を導入することで、更にこの決断疲れを軽減することが可能となります。
ということで、今回は検定を使ったルーティン作業の有効性を紹介していきたいと思います。
決断疲れとは
Wikiによると・・・
そもそも、決断疲れとはwikipediaによると、
『意思決定 と 心理学 の分野において 決断疲れ(判断疲れ、決定疲れ)とは、意思決定を長時間繰り返した後に個人の決定の質が低下する現象を指す(該当ページリンク)』
ことであり、要は
「決断が重なると、とても疲れる」
という事です。
「そんな事を言っても、私は経営者じゃないし、そんなに決断する機会はないよ」
という方もいるでしょうが、実は人間は様々な場面で決断をしています。
・今日着ていく服
・今日の晩御飯の献立
・右と左どちらに曲がるのか
日々は小さな決断で出来ています。
そして、先述したように決断が積み重なると、決断疲れを起こしてしまい効率が悪くなってしまいます。
ジョブズが同じ服であった理由
この決断疲れで、最も有名なエピソードと言えばジョブズがいつも同じ服を着ている理由でしょう。
ジョブズは、いつも同じタートルネック、ジーンズ、スニーカーというスタイル貫き通しました。
これも決断の回数を減らすことで、重要な決断にパワーを割くためのメソッドです。
ルーティン化されていないと非効率的
決断疲れを回避するためには、決断の回数を減らすしかありません。
その為にはルーティン化が有効です。
1週間食べるものを決めてしまうのです。出勤には毎日同じ道を通れば良いのです。
繰り返しの作業は全てルーティン化出来ます。
データの入力作業はキーボードを打つのではなく、バーコード形式にしましょう。
定型レポートは、マクロでボタン1個で済ませましょう。
そして、毎日数字を比較する必要があるのであれば、検定を導入しましょう!
検定を導入しよう
なぜ検定を導入するのか?
うちの会社の話になるのですが、製品の材料を変更する場合、変更による品質の変動はないかを確認するという業務が発生します。
このチェックする項目は、当然決められておりルーティン化されているように一見見えるのですが、実は判断基準が
『変更前の製品と同等であること』
となっている項目が多々あるのです。
計測値が完全に一致していれば楽なのですが、当然そんなことはないのです。
つまり、材料変更の担当者は、同等か否かの判断を迫られているわけです。
うちの会社には、まだ統計の知識がそれほど行き届いておらず、この同等か否かで担当者と上司が揉めるという不毛な時間が度々発生しています。
この
『変更前の製品と同等であること』
が例えば
『サンプルサイズ10でt検定で有意差なし』
であれば如何でしょうか。
ルーティン作業で10個のデータをエクセルによるt検定を実施すれば、疑問の余地もなく答えが返ってきます。
検定を導入することで、ルーティンワークの質が大幅に向上するのです。
あらかじめ検出力は設計しておこう
もちろん、闇雲に検定を実施すれば良いというものではありません。
サンプルサイズが大きすぎると第一種の過誤の可能性が増えますし、サンプルサイズが小さすぎると帰無仮説が採択出来ません。
故に、効果量、検出力を割り出したうえでサンプルサイズを決めておくという、検定の設計が非常に重要になります。
その為には、ルーティン化の対象とするデータについて、良く分析する必要があり、時間も相当に費やすことになるでしょう。
しかし、一度作りこんでしまえば、作業効率がおそらく爆発的に向上します。
作業効率が向上すれば、次に別のルーティン化作業に着手し更に作業効率を向上させる。
この流れを繰り返すことで、無駄な残業を減らすことも出来るし、重要な決断にのみ力を集中することが出来るようになります。
まとめ
作業のルーティン化は、単にマニュアルを作ることではありません。
・次の作業はどうするんだっけ
・この数字同士は差があると言えるんだっけ
こんな疑問を減らす事で、決断疲れを回避し作業効率を向上させることが真の目的です。
あなたの職場のマニュアルをもう一度見返してみて下さい。
もしかしたら、ちっとも効率化していない作業が隠れているかもしれません。
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