統計学を用いることで、集団の平均、バラツキ、有意差、相関等を調査することが出来ます。
しかしながら統計はあくまでプログラムのようなもので、入力すべき未知数は自力でデータから抽出しなければなりません。
何が言いたいかと言いますと、手元にある乱雑なデータの集まりを統計的手法にかける前にまずは分解する必要があるのです。
比較をするにしても、相関を見るにしても、なんにしてもまずは複数の集団に分かれている必要があります。
このデータの分解は、知らず知らずのうちにやっていたりします。
例えば社内で不合格のロットが出た場合、合格品と何か違うのかを比較する場合は一つの品種の製品を
不合格ロット
合格ロット
の2つに分解しているのです。
この分類分けにおいて、どれだけの数の要素を挙げられるかで分析の質が大いに変わってきます。
今回はその分類分けを考える手法をいくつか解説します。
4M
4Mとは人(Man)、材料(Material)、方法(Method)、設備(Machine)の4つのMのことで、生産する製品の4大要因です。
何か不具合がある場合、まずはこの4M別で分類して分析することがセオリーとなります。
先程の不合格ロットに関しても
誰が作業したか
どの設備で作業したか
どのような方法で作業したか
どのような材料ロットで作業したか
で切り分けて分析するだけでかなり分析の精度が上がります。
特性要因図
QC7つ道具の一つです。
このように枝分かれしている様が魚の骨に見えるために別名魚の骨という、ストレートすぎるあだ名をつけられています。
図のようにまずは、問題とする現象を一つ挙げます。そしてそれに向かって一本の矢印→を引きます。
その一本の矢印に向かって先程ほどの4Mから線を伸ばします。
そしてその4Mに関係する要因を挙げて、枝状につなげていきます(一次要因)。そして一次要因に向かって更に細かな要因を枝状につなげていきます(二次要因、三次要因・・・)。
これをブレインストーミングをしながら作り意見を集めて整理することがセオリーと言われています。
しかしながら個人的には、この手法は一人で使う方が好きです。
複数人でやると、結構グダグダになりますしあらかじめ思いついていることしかやっぱり書けないものです。
それよりも今自分が持っている情報を特性要因図で整理すると、抜けがなく冷静に整理出来ます。
みんなで使うものという先入観は捨てて、ぜひ一人でも使ってみてください。
ブレインストーミング
格好いい言い回しですが、要はみんなでアイデアを出し合う打ち合わせのことです。
批判しない、自由に発言させる、質より量を重視する、アイデアを統合していく
これを実施することで、個人の先入観にとらわれないアイデアを抽出することが出来ます。
人数は少人数が良いです。あまり多いと発言しない人が出てくるからです。
同程度の職位の人間同士でやることが望ましいです。あまり上役が来ると発言が阻害されるからです。
アイデア出しとアイデアまとめは一度にやらずに時間を区切って行う方が良いです。話がぐちゃぐちゃになるからです。
あと個人的には、門外漢は呼ばない方が良いと考えています。素人の新鮮な意見も取り入れるべきという声もあると思いますが、実際に素人の考えつくことは的外れも良いところで時間の無駄だと思います。
それよりも、違う視点をそろえることに注力するべきと思います。
製品の不具合なら
・製品設計の専門家である技術課
・機械の専門家である設備課
・現場の専門家である製造課の作業者及び管理者
・数値とりわけ統計が得意な人間
という風にそれぞれ秀でた知識の持ち主を様々な視点で見れるように準備すべきです。
まとめ
分析をするための分類分けを考える手法とはつまり、アイデア出しの手法です。
これらの手法は確かに便利ではあるのですが、気を付けるべきこととしてあまりルールに囚われすぎてはいけないということです。
集団で集まってアイデアを出す際には、取り纏めが大変なため、「ブレインストーミングはこうあるべき」といったルールに囚われがちになります。
「もっと意見出して!」と言って意見を募っても、あまり出てこないという場面もよくあります。
そういう場合はいくらやっても出てきません。
なのでさっさと切り上げて、今出た数少ない意見からとりあえずプランを立ててPDCAを回すことに集中する方が良いです。
アクションをとってチェックする過程で新しいアイデア(分類)が出てくることもあります。
要するに最初に頭を動かして、それでダメなら手を動かそう!ということです。
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