2019年4月現在、各所で不況になると叫ばれています。
当サイトでは、本当にそうなのか様々な指標を分析してみて不況の兆候を見ていこうと思っています。
参考図書は経済指標読み方のルールです。
今回はISM製造業景況指数を見てみましょう。
ISM製造業景況指数を分析しよう!
ISM製造業景況指数って何?
ISM製造業景況指数とは、全米製造業の購買担当役員にアンケート調査した結果をもとに製造業の景況感を表したものです。
なぜ購買なのか?
日々彼らは必要な量の原材料を、必要なタイミングで仕入れる必要があるのですが、当然製造業が儲かっているならば材料の需要が高まり、値段が上がったり、手に入りにくくなったりします。
逆に製造業が不調なら、材料は値段面でも時間面でも手に入りやすくなります。
このように購買という立ち位置は、製造業の景気を感じやすい立場なのです。
このISM製造業景況指数は新規受注、生産、雇用、入荷遅延比率、在庫等様々な項目についてアンケートを取っています。
これらの項目を総合した指数であるPMIも重要ですが、個別の指数、特に新規受注、雇用の2つは特に重要であるとされ、PMI、新規受注、雇用の3つが同時に上昇していれば製造業全体が上向きであると判断されると言われています。
これらの指数は50が分岐点であり、50を超えていれば順調に伸びているし、50を下回っていれば製造業の業績は悪化している言えます。
時系列で見てみよう
それでは早速データを見てみましょう。
今回のデータ元はこちらになります。
あまり季節的な規則性は見られません。
また2013年及び2015年の一部を除き基本的には50以上を保っています。
しかしながら、2018年の後半ごろから現在まで少しずつ下がっているようです。
2019年は1~4月までの数字ですので、1~4月までの数字で各年の推移を見てみましょう。
やはり2019年になり、下がっていっています。ちなみにエラーバーは標準偏差になります。
ここで、新規受注と雇用の指数にも注目してみましょう(こちらは2019年1月以降のデータしか見当たらりませんでした)
新規受注は4月に急落しています。雇用の方は3月を除き少し低水準に動いています。
今後推移を見てみないとはっきりとはしませんが、雇用の方が少し足を引っ張っていたように見受けられます(PMIは各指数の加重平均です)。
ISM製造業景況指数を見てからの投資判断
この指数が高い場合は、特に製造業関連のリスク資産(=株式)への投資が勧められます。
今回のように、指数が下降基調な現在は製造業関連への投資は控えた方が良いでしょう。
まとめ
今回見たISM製造業景況指数は製造業の景気を測る指標として、かなり重要視されています。
結果としては、製造業はまだ好調ではあるが、下り坂になってきていると言えます。
他のサイトでも、4月は特に低かったと取り上げられています。
また、以前取り上げた自動車販売台数においても、2016年から2019年現在まで下降傾向となっています。
これから更に様々な指標を調べる予定ですが、どうにも2019年が不景気になるという情報は信憑性がありそうな気がしてきた次第です。
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