統計のスキルがいかに優れていてもデータがいまいちな場合、いくら頑張ってもいまいちな分析結果しか出ません。
料理において料理上手でも材料がいまいちなら、ある程度の味にしかならないみたいなものです。
データの質が分析ひいてはそこからのアクションの質を決定します。
データは集め方で2種類に分けることが出来ます。
・セカンダリーデータ
・プライマリーデータ
です。
セカンダリーデータ
誰かが既に集めたデータです。公的な統計データや辞書が代表例です。
既に集められたデータなので、集める手間と時間が省けるというメリットがあります。
自分でネットで探してみるのもいいですし、マーケティングデータバンクという世に出たデータを要望に応じてレポート化してくれる企業もあったりしますので、利用してみるのもいいでしょう。
ただセカンダリーデータはあなたのために採取されたデータではないので、実際に知りたい情報から外れたデータの取られ方をされている場合もあります(というかその方が多いはず)。
古かったり
範囲が限定的だったり
大雑把だったり
また製造現場においては、そもそも世にデータが出回っているという状況はまずないと思います。
世の中にない付加価値を創造するところなのですから。
なのでセカンダリーデータは分析目的というよりも概要の調査という意味合いで集めた方が良いと思います。
プライマリーデータ
自力で集めるデータです。
これに関しては集め方の設計が非常に重要です。というよりそこでデータの質が決定します。
単に集めても何の役にも立ちません。
アンケートを例に考えてみましょう。
スポーツウェアを販売する企業が街頭アンケートで「定期的に運動しているか否か」というデータを集めるとします。
ここでそのままアンケートに
「あなたは定期的に運動していますか?」
とだけ書いた用紙でデータを集めた場合どうなるでしょう?
得られるデータは、定期的に運動している人間のパーセンテージのみです。
これでは「ふ~ん」としか言えないような結果しか得られません。
活用出来るデータとするには
「性別」「年齢層」「運動している頻度」「運動する時間帯」「住んでいる地域」
くらいは記入出来るようにしておかなければ話になりません。
また月一でデータを取ることで時季要因も分析出来るようにしておくべきです。
そしてデータの採取は「はいこれでおしまい」とはなりません。
上記アンケートで「春頃と秋頃に運動している人が多い」と分かったとします。
そこで春と秋に販売の大攻勢をかけるというのは短絡的です。
そこから更に突っ込んで、「なぜ春と秋なのか」を考えるのです。
そして実際に季節ごとに運動している人たちに、インタビューするなり観察をしたりします。
すると「温度がちょうどよくて運動しやすい」という結果がえらえるかもしれません。
そうなったら、夏と冬に「運動しやすい環境を提供出来たら」更に売り上げを伸ばすことが出来るかもしれない。
このようにデータを取る際には
・分類分け
・分析後に更に詳細なデータを取る
ということが非常に重要になります。
「言われなくとも分かってる」と言われそうですが、やってみると案外出来なかったりするものです。
特に誰かにデータを取らせる際、言われた側はやらされ仕事感を出してうまくデータを取ってこないことが往々にしてあります。
本当に「あなたは定期的に運動していますか?」という単純なデータしかとってこないかもしれません。
データ取りを依頼する際は特に「なぜこのデータを集めるのか」という意思統一をしっかりしておきましょう。
でないとトホホなことになりかねません。
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