集団の”ばらつき”を表現する数字として標準偏差が最も一般的です。
しかしながら、集団の”ばらつき”を比較するときに、標準偏差を使ってはいけません。
「折角覚えた標準偏差なのに、なんだ使えない」
という声が上がりそうですが、標準偏差には別の出番がありますので、許してあげてください。
今回は、標準偏差からもう一歩進んだ、変動係数(相対標準偏差)を用いた”ばらつき”の比較について紹介いたします。
バーベル VS ダンベル
例えば、
ある200kgのバーベルは標準偏差10kg
対して
ある5kgのダンベルは標準偏差1kg
となった場合、単純に比較すると10kg vs 1kgでバーベルの方が数値上は、ばらついて見えます。
ですが、200kgの重量物が10kgばらつくのと、5kgの重量物が1kgばらつくのではイメージ的には5kgが1kgばらつく方がばらついているなぁと思いませんか?
バーベルの方はものによっては290kgだったり、310kgだったりするのに対して
ダンベルは4kgだったり、6kgだったりするわけです。
この場合、明らかに標準偏差での比較は実体に合っているとは思えません。
なぜなのでしょうか?
この違和感の理由、それは平均値が大きい集団は標準偏差も大きくなるという傾向があるためです。
それ故に、集団の”ばらつき”を比較する際にはこの平均値の影響を消してやる必要があるのです。
平均値の影響を消した数字を『変動係数』といいます。
“ばらつき”の比較は変動係数を使おう
計算はとても簡単です。標準偏差を平均値で割るだけです。
$$CV=\frac{\sigma}{\mu}$$
先ほどのバーベルとダンベルの場合、標準偏差を平均値で割ると
バーベルの変動係数:0.05(=5%)
ダンベルの変動係数:0.2(=20%)
となり、ダンベルの変動係数が大きく、よりばらついているということが分かります。
(ちなみに変動係数は無次元数です)
実際の仕事では、様々な数値を比較する機会があると思いますが、”ばらつき”を比較する際は平均値の大きさが”ばらつき”に影響を与えていることを考慮して変動係数で比較してみてください。
今まで思っていた結果が覆ったり、イメージと数値の結果が合わないといったことが解決するかもしれませんよ?
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熊野コミチ(@gRDQJkozHInWFxI)(youtube)
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