新しい製品の管理幅を決めるとき、顧客からの要求物性があれば決めやすかったりしますが特に何もない場合はどう決めるのか非常に迷うものです。
そういった場合はどうするべきか。
3σで決めてしまいましょう。
平均値±3×標準偏差を上限と下限に決めてしまえばいいのです。
そもそも新しい管理幅を決めるうえで、顧客要求が無かったり、性能が著しく落ちる水準が不明な場合は適切に管理幅を設ける根拠などあるわけがありません。
このように明確な根拠が見つから場合はどうするかを、あらかじめルール化しておくべきだと思います。
なぜならば、ルールを決めておけば誰が決めても同様のレベルでの管理幅を設定できるからです。
一定のルールが無い場合、人によって管理幅の決め方がまちまちになります。
そうなると、ある管理幅は緩すぎる、ある管理幅は厳しすぎるという状況になり、実質的な無管理状態に陥ります。
なので適切かどうかを悩んで規格を都度都度別決定するよりも、一定のルールで決める方がよいのです。
あらかじめルールが存在すれば、誰が担当しても一定の管理幅を決めることが出来ます。
もし担当者が離職しても、この管理値はこのルールで決められていると即座に分かります。
当然このルールの話は管理幅に限った話ではありません。
ものごとの方法や判断基準には、すべてにおいてルールを設けておくべきです。
よくマニュアルは悪とされます。
考えることを放棄したマニュアル人間を作り出すためと言われているからですが、それはルール作りをサボってるただの言い訳だと私は思います。
昨今、転職、離職が当たり前になっている世の中では社内の人の入れ替わりというのは非常に頻繁に起こります。
そのような状態でルールが存在していなければ、みな思い思いの方法、判断を下さざるを得なくなります。
ルールが存在しなければ、仕事が正しく行われているかをチェックすることも出来ません。
「正しい」の定義が存在しないからです。
私の会社には今このルールが欠けています。
少数ではありますが部下を持つ身になり、最近特にこの「無法状態」での仕事のやりにくさを痛感してます。
新しく入ってきた人間に教える際も、そもそもルールがないので口伝で伝えることになり非常に手間取ります。しかも正しいかどうかも不明瞭なのです。
ルールが無ければ人にものを教えることも、引継ぎも難儀することになります。
ルールが存在すれば、みんな一定のクオリティで仕事が出来ます。それはつまり、仕事の品質が安定するということです。
それでも仕事の品質が悪い場合は、ルールが間違っているのです。
ルールがまずいために問題になる場合もよくあります。
なので、ルールが本当に正しいか実態に合っているかは定期的に検討すべきです。
またルールはシンプルであるべきです。
あまり工程が多かったり、判断する要素が多いと再現性が取れなくなります。
先の管理幅を例にすると
「管理幅はサンプルサイズ30、サンプル数5で平均値±3σにすること 」
は誰が実施しても毎回同じ様に決めることが出来ます。判断する要素がなく、シンプルだからです。
このようにシンプルなルールを決めておくと、問題はルールのクオリティになります。
問題が起こった場合もルールを守れていたか、ルールは問題なかったかの2つに絞って考えることが出来ます。
統計学は数値においてルールを決める際に非常に強い武器になります
先の3σもそうですし、値の予測方法や有意差の判断も回帰、相関、推定、検定を駆使すれば機械的に解決できます。機械的に解決できるということはルール化することが出来るということです。
今仕事をするうえで、人依存で進めにくい内容がある、いつも判断に迷うという状況が慢性化している場合、このルール化がうまく出来ているかに着目してみてください。
きっと問題点が明確化しますし、改善の余地が見つかるものと思います。
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