【統計実践】なぜ時価総額日本一?トヨタの財務を分析してみよう!

データ分析

トヨタは日本を代表する企業です。

なんといっても時価総額日本一の大企業。

海外でもトヨタの車はバンバン走っています。

他の企業がどうにも世界に進出出来ない中、素晴らしい業績だと言えます。

ただ、なぜトヨタなのでしょうか?

ホンダでも日産でもマツダでもなく、なぜ?

「それはトヨタはカイゼンがすごいからだよ」

確かにトヨタのカイゼンは世界的に有名です。

ですが、有名すぎてそのノウハウは、様々なところで展開されていますし、そもそもカイゼンでは、利益率は上げれても売上は上がらないはずです。

なぜなら、社内のカイゼン活動では

・不良率の低減

・ムリ、ムラ、ムダ取り

といった、徹底的な効率化、高品質化を進める活動なので、単位時間当たりの生産量や歩留(良品率のこと)の向上しか出来ない。

故に売上に占める利益を向上させることは出来ます。

ですが、それだけでは日本一にはなれません、それを維持出来ません。

いくら利益率が高くても売り上げ規模が小さければ、日本一にはなれません、維持出来ません。

という事で、今回はトヨタを財務の面から、なぜ日本一足り得るのか分析しつつ考えていきたいと思います。

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トヨタってどんな会社

時価総額日本一

トヨタは時価総額日本一の車メーカーです。

出典:時価総額上位ランキング

2019年10月17日時点での時価総額上位10社の棒グラフですが、トヨタが2位のNTTに2倍の差をつけて圧勝しています。

取り扱っている製品に関しては、おそらく皆まで言う必要のない事だと思いますが、トヨタは車以外に製造業においては、特別な立ち位置にあります。

それがカイゼンで知られる、トヨタ生産方式です。

トヨタのカイゼンって何?

社内カイゼンのレベルがすさまじく、その手法は様々な書籍で紹介され、元トヨタという肩書だけで社内改善コンサルタントとしてやっていけるぐらいに有名なのです。

社内研修がちゃんとある製造業であるなら、ほぼ確実にトヨタのカイゼン手法を勉強させられます。まぁ実践出来るかどうかは別ですが。

気になる方はこのような本もありますので、ぜひご一読を。

そして、このような手法が非常に有名で、これこそがトヨタの強みであると声高に語られるので、自然と

「トヨタはカイゼンがあるから、時価総額日本一の企業なんだ」

と思われているところがあります。

ですが、先述したようにカイゼン活動では、利益率には貢献しても売上には貢献しないはずなんです。

いくら良品率が良かろうが、効率的に生産しようが、ユーザーにはなんにも関係がありません。

炊飯器を買う時に、「これはとても不良が少ない炊飯器ですよ」と言われて買う人がいるでしょうか。

ユーザーからすれば不良品でない事は前提条件であり、購買理由には一切なりません。

製品に魅力が無いと、買われないのです。

つまりトヨタの売上が大きくなる理由は、トヨタの製品に魅力があるからだと思うのです。

そう思っている中、こんな記事を見かけました。

日本人が意外と知らない!? 「トヨタ」が最強であり続ける本当の理由

この記事によると、どうもトヨタは開発力が高いのだそうで。

という事は、研究開発や設備投資にパワーが傾けられているはず。

という事で、その点に注目してみようと思います。

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トヨタの財務を分析してみた

分析目的

トヨタの強みを知るために、開発力を支える投資キャッシュフローに注目します。

研究開発費は販売費および一般管理費に含まれており、見えてこないので割愛。

投資キャッシュフローにおける設備投資に相当の比重が傾けられているなら、やはり開発に対して重視しているという、先述の記事の裏付けになると思われます。

売上、営業利益、純利益を見ていこう

投資キャッシュフローを見る前に、売上と利益を見ていきましょう。

利益率から、商売のうまさが見えてくるからです。

各期の売上の平均値と最大/最小値のエラーバーをつけています。

エラーバーをつけると、ひずみ、ばらつき具合が見えてくるからです。

こう見ると、2009年はリーマンショック直撃という事で、かなり売り上げにばらつきが生じています。

それ以外は2010,2012が多少ばらつきが大きくなっていますが、それ以外の年はかなりばらつきが小さく、安定して売れている事が分かります。

推移としては、2009年から2012年までは、低迷していますがそこから2016年までに大きく上昇しています。

そしてそこからまた一定の推移で進んでいます。

拡大期を過ぎているからなのか、思ったより毎年売り上げが上がるという訳にはいかないようです。

もしかしたら、ここから更に売上を上げる戦略を必死に考えている最中かもしれませんね。

次に売上、営業利益、純利益を並べてみます。

こう見てみると、かなり利益率は小さく見えます。

また2009年はやはり、赤字になっているし2012年までは利益率が小さそうです。

ただ、これだと正確な利益率が分からないので、直接利益率を算出して線グラフで見てみましょう。

不況時は利益率が軒並み低く、かつ不安定ですが、2013年からは平均5%以上で、ばらつき具合も一定になっています。

ちなみにトヨタは利益率も日本で一位の企業です。

出典:自動車業界 利益率ランキング(2017-18年)

このあたりはトヨタの生産方式が聞いているのかもしれませんね。

投資キャッシュフローはどうなっている?

本題の投資キャッシュフロー(投資CF)に入っていきます。

投資CFはその会社がどれだけ投資をしたのかを示す指標で、この値が小さいほど(マイナスに振れるほど)投資をして、成長する事に力を掛けている事になります。

ちなみにCFを見る場合は、

・営業CF:プラス

・投資CF:マイナス

・財務CF:マイナス

になっている企業はお金も稼いで、十分に投資をしている健全な企業とされています。

それではトヨタの場合はどうなっているのでしょうか。

ここで上げているFree CF(フリーキャッシュフロー)とは営業CFから投資CFを除いた、余った現金の事です。

こう見ると、トヨタはFree CFがほぼ0(時にはマイナス)になる程稼いだお金を投資につぎ込んでいる事が分かります。

アメリカの企業では、Free CFは投資家への還元として、自社株買いや配当につぎ込まれます。

対してトヨタでは、お金がほとんど残らないほど、投資につぎ込んでいます。

これらの投資案件は、広義の内部留保になりますのでなんとも日本的な企業(投資家への還元意識が薄い)だなと言ったところでしょう。

さて、この投資CFの内設備投資はどの程度占めているのか見てみます。

これで、開発にどれだけ力を入れているのか間接的に見えてくるからです。

おおむね営業CFに対して20%強の金額を設備等に投資しているようです。

ほぼ100%近いかもと予測していたのですが、案外少ないです

ホンダは2018年決算では50%もの営業CFに対して固定資産にお金をつぎ込んでいるのに対すると、割合としては少ない。

まぁ比率としては、少なくてもそもそもの売上と利益率が大きいので、他の競合と比較しても大きなお金をつぎ込んでいると思われるので、過剰なまでの投資は押さえているとかそういう事なのかもしれません。

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まとめ

財務だけでは、トヨタが開発について極めて強いという一面は見えてきませんでした。

先日うちの先輩が偶々トヨタに行って色々話を聞いてきたのですが、曰く

「トヨタが最先端なのは、すべてを自分たちで作り上げるからだ

と名言めいたことを言っていました。

全てというのは、車だけでなく、それを作る設備もという意味です。

最先端の集団が、そのノウハウを駆使して設備すら自作する。

そういった文化が本当のトヨタの開発力の強みなのかもしれません。

 

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