目的変数を量的変数化する考え方【落ちてる知恵を拾いましょう】

コラム

研究開発に限らず、実験という行為は職種を選ばずに非常に重要な立ち位置にあります。

A/Bテストも実験です。

現場の改善取り組みも実験です。

アンケートも実験です。

このように様々な職種において、実験と無縁に生きていく方が逆に困難であると言えます。

故に様々な実験方法を考えて、良い成果を得たいところなのですが、その良い実験をする上で渡しが特に重要だと考えている事、それが

目的変数が量的変数になっていることです!

今回は、目的変数が量的変数であることの重要性を紹介したいと思います。

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目的変数とは?

 Y=ax+bのY

目的変数とは端的に言えばアウトプットです。

実験とは簡単にいえば、様々に要因を振ってアウトプットの変化を採取する事で、より良い結果が得られる、または仮説を立証する手段です。

これを式で表すと

$$Y=aX_1+bX_2+・・・+Z$$

と表現出来ます。

以上の関係性においてX(説明変数)を色々な値に振って、Y(目的変数)の変化を見る行為が実験なのです(この発想法は多変量解析そのものです)。

実験の解析方法で、一度に複数の要因及び水準を評価する手法としては分散分析が最も便利だと私は思っています。

(以下が分散分析表です)

そして分散分析やその他の統計的手法を扱う上で、重要な事が量的変数であることなのです!

量的そして質的変数

さて頻繁に出ている量的変数そして相対する質的変数ですが、まずはその違いを見ていきましょう。

量的変数
身長や体重など、数値で表現できる変数

質的変数
性別や名前など通常数値で表現できない変数

つまり、量的変数で表せというのは、数字で表現できるようにしろという事なのです。

「そんなのあたりまえじゃん!」

、と仰られるかもしれません。しかし実験する対象によっては最初から数字で表現しにくいものが多数ありはしませんか?

例えば、とある製造ラインの製品に傷が発生したというクレームが発生したとします。

そこであなたは加工条件をわざと振ることで、傷の出やすさを評価しようと実験計画を立てたとします。

この実験、うまくいくと思いますか?

私はこの実験は失敗すると思います。

なぜなら傷というものをおそらく数字化出来ないからです。

もし出来ていたとしても、5段階評価といった順序尺度レベルだと思います。

このように、電流や明るさなど元々数値化されているもの”以外”の指標を実験のアウトプットに組み込むと、かなりの確率で実験は失敗します。

数字の間に意味が無かったり、上下限が決まってしまうので相関関係もサチったりするからです。

故に傷のようなもののアウトプットを以下にして量的変数として表現するか、これが実験の成否を握ってくるのです。

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目的変数を量的変数として扱うコツ

量的変数にしづらいもの

そもそも量的変数として表現しにくいものとは何でしょうか?

基本的には五感に訴えかけるものは、数字化しにくいです。

・見た目

・手触り

・味

なんかは数字に表しづらいです(音や匂いは数字化は容易かもしれませんが)。

これら五感(もとい三感)による情報を量的変数化出来たら、かなりの広範囲を統計的分析の対象にする事が出来ますし、実験においても良質な結果が得られるようになるはずです。

量的変数にするコツは?

そもそも、世の中の数字になっている指標を見てみましょう。そのあたりにヒントがありそうです。

例えば電流計です。

電気は小さい場合、触っただけでは分かりませんし、大きくなってもしびれる度合いを触覚で正確に把握する事は出来ません。

このような厄介な電流ですが、電気エネルギーは力学エネルギーに変換する事が出来ます。そしてその性質を利用して、電流が強くなると、強い力が働くことで該当する目盛りを指す(つまり量的変数化)する事が出来るのです。

このように数字化しにくいエネルギーを別のエネルギーの形に変換するというのは、量的変数化する上で候補に入れるべき発想の一つです。

また、傷といった見た目に関しては、デジカメなんかをヒントにすると良いかもしれません。

デジカメの写真は見た目がそのまま写っているのではなく、細かい単一のピクセルがRGBのどれかの色になっており、それが集合する事で像を表示しています。

例えば、傷の写真を完全な白黒(二値化と言います)にして、黒の度合いの多さを比率化や標準偏差にする事で傷の規模を数字として捉える事が出来るかもしれません。

このように、実は世の中には様々な工夫によって数字化されたものが満ち溢れています

普段何気なく接している数字、測定値も大きな工夫によって数字化された背景があるはずです

つまり数字化のコツというのは、

既に数字化されている現象を調査する

という温故知新の精神にあるのです。

この世には、私たちが知らない様々な工夫や技術にあふれています。

これを数字化という観点に絞って色々調べてみると、自分がいざ実験する時にもその知恵が生きてくるかもしれません

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まとめ

実験をする上で、目的変数を量的変数で表すことは本当に重要です。

そして、常識的には

「これを数字にするなんて無理だよ」

というようなものでも、周りを見渡すと一見無理に見えているが実は数字化出来たものというのが結構あふれています。

そしてそのような発想を得るためには普段から、現物を見て、自分が調査しようとしているアウトプットの本質は何なのかを常に考え、そして周りに似たような事象を数字化した例が無いか探してみる。

このアクションが非常に大切なのです。

皆さんも、実験をするときには、目的変数に十分気を配って実験してみて下さい。

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