分かりやすいz検定 【検定を知るための検定手法】

検定

以下の記事で、検定の考え方を紹介してきました。

今回は検定の手法で最も基本的なz検定を紹介いたします。

紹介前のネタバレですが、仕事ではz検定を使う機会はまずありません。実際にはt検定を使うことになります。

しかしながら、z検定を理解すると、t検定はすんなり理解できます

それでは行きましょう!

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Z検定とは

平均値についての有意差検定

z検定は標準正規分布を使った、平均値の検定のことを指します。

以下の記事を読んで頂くと、今からの内容はかなりスムーズに理解いただけるはずです。

zというのは正規分布から標準正規分布に変化するときの

$$z=\frac{μ-μ_0}{σ/\sqrt{n}}$$

のことを指します(このような値を検定統計量といいます)。

基本的な検定の流れは、

・帰無仮説H0:μ=μ0と対立仮説H1:μ≠μ0を(もしくはμ>μ0 μ<μ0)設定

・有意水準αを決める 通常はα=0.05か0.01とする。

・検定統計量zを算出する。

・標準正規分布表で有意水準に相当するz0を確認する(α=0.05の場合はz0≒1.64)。

・検定統計量zとz0を比較し、z>z0だった場合対立仮説を採択し有意差があると判断する

になります。

サンプルサイズnが大きくなるほど、有意差が出やすくなります。

≠(ノットイコール)の場合は両側検定になり、有意水準αを2で割ったα/2でz0を確認します。α=0.05の場合は、α/2=0.025なのでz0=1.96になります。

なのでα=0.05の場合

両側検定:z<-1.96もしくはz>1.96(H1 μ≠μ0)

片側検定:z<-1.64(H1 μ<μ0) もしくはz>1.64(H1 μ>μ0)

となれば有意差ありとなります。

試しにやってみよう!

平均値1.000インチの軸棒を標準偏差0.03の製造ラインに対して、10本のサンプルを抜き取って測定したところ平均値が0.978インチでした。

μ0=1.000、μ=0.978、s=0.03 n=10です。

このサンプリングの平均値は管理上以上が無いかどうか検定してみましょう。

帰無仮説 H0:μ0=1.000

この場合検定結果は太すぎても、細すぎてもNGです。このような場合は両側検定を実施します。よって

対立仮説H1:μ0≠1.000

有意水準α=0.05とした場合、z0は1.96 or -1.96です。

そして検定統計量zは

$$z=\frac{μ-μ_0}{σ/\sqrt{n}}=\frac{0.978-1.000}{0.03/\sqrt{10}}≒-2.32$$

になります。z0とzを比較すると

$$z=-2.32 < -1.96$$

ですから、H0を棄却し有意差ありと判定されます。

こうしてみるとそれほど難しくないと思います。

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実用性に難のある検定?

平均値の検定が出来ると、今まであった

「この平均値同士って差があるって言えるんだろうか?」

という悩みを解決出来ます。

とっても便利そうです。しかしながら、このz検定はあまり実用的であるとは言えません

なぜでしょうか?

前提条件が厳しい

z検定を実施するにはいくつかの前提が必要です。

・母集団の母数(平均値、標準偏差)が既知であること。

・母集団が正規分布であること

母数が既知であることというのはかなり厳しいです。

そもそも、検定で知りたい情報というのは母集団の母数が知りたいからのはずで、ぶっちゃけた話「それが分かればこんな事しないっつーの」といった感じです。

また母集団が正規分布である必要もあります。ただこれに関して言えばサンプルサイズが十分に大きければ中心極限定理により平均値の正規分布が形成されるので、特に問題なく解決することが出来ます。

ちなみにこの時のサンプルサイズは30~40程度らしいです。

最も分かりやすい検定

このようにz検定はフローと計算そのものは極めて簡単ではありますが、実用のための条件が厳しめです。

実用の際にはこのz検定を変形したt検定を行うことが一般的です。

「ならこのz検定の説明不要じゃないか?」と言われそうですが、そうでもありません。

別記事でt検定を紹介するときに詳細な解説をいたしますが、t検定の検定統計量はzの標準偏差を不偏標準偏差に切り替えるだけですし、使用する分布も標準正規分布に極めてよく似たt分布を扱うため、基本的に同様のフローで検定することが出来ます

ゆえにz検定の概要を把握しておくとt検定への理解が早まります。

z検定は検定の基本形であると言えるのです。

基本は大事ですよ。

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まとめ

今回はz検定を紹介いたしました。

以前に紹介した検定についての考え方を押さえておけば、それほど難しくないと思います。

先述したようにあまり実用向きではありませんが、z検定を押さえておけば他の検定への理解が早まります。

一歩ずつ確実に理解を進めていきましょう!

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